同時通訳と異なり、逐次通訳はスピーカーが数分、数段落話してから通訳をする形態の通訳です。通訳者はスピーカーの話す内容をメモにとり、あとでそれを意味をなすわかりやすい文章に通訳します。このメモ取りの作業は非常に難しいものです。速記と異なりすべてを書き取る必要はありませんし、またそんな時間もありません。あとで自分が見直した時に内容が思い出せるように、話の流れがわかるような記号を自分で作り出しそれを使います。
私の経験からいきますと、正確性が重視される法廷通訳は必ず逐次通訳で行われています。(同時通訳では正確性が重要でない、ということではありませんが、実際問題、事前に原稿をもらっているのでなければ、まったく予想できないスピーチを100%とることはほぼ不可能に近いと思われます。)しかし、先ほど書きましたように、一般企業・団体の会議では同時通訳の方が多いのではないかと思います。